中国ではもともと動物(獣や魚)の肉や骨を壺につけて塩を加え、ソースのようなものを作り、調味料として使っていました。 これを「醤(ひしお)」と呼んでいました。その後、中国の醤は日本に伝わり、奈良時代にはさまざまなものが作られるようになりました。 しかし仏教が伝来し、その教えから醤は植物性になり、こうじで大豆、米、麦を発酵させるものに変化していったようです。
平安時代の文献には「未醤」(みしょう)という字が出てきますが、その後、味噌という字に変わったようです。(みしょう→みしょ→みそといった具合に変化?)また、『噌』と言う字は、中国には無く日本で創られた字ということになります。その字が当てられていることからも味噌は昔から日本人にとって無くてはならない馴染み深い物であったと想像がつきますね。
広島で自らも被爆し、被爆者の治療を行った医師の著書で、焼け野原で食料も無い中、瓦礫の下で焼け残った味噌をお湯に溶かしただけのものを飲んで被爆者の治療を行ったとあります。そしてその人達がその後、原爆病を発病しなかったということでした。これは放射性物質を除去する効果のある『みそ』にとって、不思議な事では無いのです。事実、1986年チェルノブイリ原発事故後、チェルノブイリ及びヨーロッパ諸国への『みそ』の輸出量が急増しました。
味噌には、以下のような有効成分が多く含まれております。
主な成分 |
| 主な効用 |
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たんぱく質 |
| コレステロールの低下、血管の弾力性保持、脳卒中防止 |
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ビタミンE |
| 過酸化脂質の生成防止、老化防止 |
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レシチン |
| コレステロールの低下、動脈硬化の予防、ボケ防止 |
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イソフラボン |
| 酸化防止、肩こりの解消、抗変異原性、乳がん予防 |
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サポニン |
| 過酸化脂質の生成防止、血中コレステロール等の低下、動脈硬化の防止、肝障害の防止 |
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コリン |
| 脂肪肝の防止、老化防止 |
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トリプシインヒビター |
| 抗がん作用、糖尿病の防止 |
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食物繊維 |
| コレステロールの低下、大腸がんの予防 |
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ビタミンB2 |
| 体内の酸化還元を促進 |
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褐色色素 |
| 過酸化脂質の生成防止、老化防止 |
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ビタミンB12 |
| 造血作用、神経疲労防止 |
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酵素(麹、酵母、乳酸菌) |
| 消化を助ける |
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プロスタグランディンE |
| 高血圧の防止 |
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みそには、生活習慣病をはじめ様々な病気の予防や毎日の健康づくりに役立つ有効成分や栄養分がたくさん含まれていることが上記表にてご確認頂けたと思います。では、健康面でどのようなことでお悩みの方にみそどの成分がどのように良いか例をあげて見てみましょう。
●近頃、コレステロール値が高めで、お医者さんには動脈硬化を懸念されて注意されるのだけど、今更運動といっても・・・。ジョギングなんて近所の目もあるし、健康器具を使うにしてもいっぱいあって何を選べばいいのか分からないし、何をしても結局長続きしないのよね。
→みその主原料である大豆に含まれているたんぱく質、食物繊維、レシチン、サポニンは体内のコレステロールを低下させ、血管の弾力性を保持します。それによって動脈硬化を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞、血栓症などを予防する事ができるのです。
●私の父も祖父も癌(がん)を患いました。生活習慣から気をつけているのですが、私もなるのではないかと不安です。
→みそのどの成分が、がん予防にいいのか?実際行われた調査や実験、報告をまじえて見てみましょう。
昭和56年、国立がん研究所が行った調査とその報告が話題となりました。その内容は、毎日みそ汁を飲む人は、全く飲まない人に比べて、胃がんによる死亡率が33%も低かったというものでした。又、平成4年、広島大学原爆放射能研究所が行った実験データによると、マウスに人工的にすい臓がんを作り、そのマウスにみそを与えるもののと与えないものを比べてみると、みそを与えたマウスの方ががんになる確率が低いという事です。
みそには、多くの栄養素が含まれおり、醸造されるときに生じる成分の一部に、発がん防止作用があるのではないかといわれています。その中で大豆に含まれているトリプシインヒビターに抗がん作用があるといわれ、同じくイソフラボン、食物繊維が乳がん、大腸がん予防にいいとされています。ただ、これらの成分を摂れば良いと言うのではなくこれらを含めた多くの栄養素『みそ』を食べる事でがんにかかりにくい体質になる事が大事なのです。
●昔から血圧が高く、塩分の多い食事を控えてきました。健康の事はもちろん大事です。だけど食べたい物に限って塩分が多いように思います。我慢することなく食べたい物を食べて且つ健康でありたい。
→食べたい物を我慢するそのストレスがかえって健康に悪いかもしれませんね。
塩に対して正しい認識が必要です。決して塩が体に悪いのでは、ありません。ご存知のとおり歴史上、塩は高級な物として扱われていました。生命の維持に必要不可欠なものだからです。
では、現代において塩分を摂りすぎるとは、どういうことでしょう?昔と違って今は、技術の進歩でレンジなどで温めたり、お湯を注ぐだけですぐに食べる事ができる便利な加工食品が増えてきました。そしてその加工食品の大半に化学塩が用いられたのです。忙しい現代ではこの加工食品を食べる機会が増えたと思います。
つまり塩分を摂りすぎるという事は化学塩を摂りすぎるという事なのです。化学塩に対して昔は、天然塩です。では、化学塩と天然塩とは、どう違うのか?化学塩は、純粋な塩化ナトリウムです。理科の実験に出てくるのがこれです。では、天然塩は、当然塩化ナトリウムなのですがこれにミネラルが含まれています。いわゆる塩田にて出来たのがこれです。それぞれ摂取したときどう違うのか?いづれも体内に蓄積されます。ですが天然塩に含まれるミネラルであるカリウムが摂りすぎた塩化ナトリウムを排せつする働きがある為必要以上の蓄積を防ぎます。このように塩は、塩でも天然塩はむしろ健康に良いといえるのです。かつて塩田を廃止したのは、大蔵省の大愚策とまで言う人もいるぐらいです。
この天然塩を用いたみそならどうでしょう?『一の蔵のみそは、天然塩100%使用です。(ちょこっと宣伝^^)』大豆のリノール酸に含まれるプロスタグランディンEが高血圧を防止する働きがあるのに加え、天然塩に含まれる豊富なミネラル分が余分な塩分を排せつしてくれるのですから、みそに含まれている塩分は気になるような量ではございません。これでも気になる人は、みそ汁の具材にカリウムの多い素材を選んで下さい。例えば、人参、ごぼう、里芋、ほうれん草、小松菜、ワカメ、ひじきなどの野菜や海藻類があります。これらを具材に使ったみそ汁を食べることは、みその有効成分に加え具材の栄養も摂れて、高血圧どころか病気も寄せ付けない健康な体作りに最適です。
●この就職難の時代にようやく就職が決定!喜びもつかの間、会社での人間関係に心身ともにくたくた・・・。仕事もきついし、上司ともウマが合わないというか・・・。最近化粧のノリもいまいちだし、ストレスが溜まっているのかな?
→ストレスの解消方法には、人それぞれ自分の考えがあると思いますが、実際自分の意志とは反対に解消出来ていない事がよくあるそうです。ですが食事によるものは、ほぼ一律のデータ結果が出ます。体は、正直だという事ですね。みその細菌に含まれるビタミンB12は、造血作用を促し、神経疲労を防止する効果があります。疲労回復やストレス解消にみそ汁やみそ料理はお役に立てるはずです。忙しい一日の始まりの朝に時間にゆとりを持ってあたたかいみそ汁を一杯飲んでみて下さい。きっとストレスに負けない心の余裕が出来ると思います。
●年齢と共にシミが気になります。鏡の前に座るたびにもう年なのかなとがっかりさせられます。
→紫外線によってシミ、ソバカスの原因であるメラニンが合成されているのはご存知でしょうか?
みそに含まれる遊離リノール酸には、そのメラニンの合成を抑制する作用があります。がっかりされる前にみそ汁を毎日飲んでみて下さい。シミを隠す事を考えるよりもずっといい結果が得られると思います。
●子供がアトピーを患っております。原因は、過酸化脂質というものらしいのだけど、どういうものかよく分かりません。生活環境もそうですが、食べ物にはもっと気を使います。
→みそには、過酸化脂質の生成を防止する成分があります。ビタミンE、サポニン、イソフラボン、褐色色素、ビタミンB2がそれです。事実アトピー患者の血液中の過酸化脂質量は、健康な方よりも多いといいます。アトピーの主な原因が体内の過酸化脂質蓄積量であれば、患っている人も健康な人も過酸化脂質について正しい認識が必要と思われます。又、上記に紹介した一部のケースにも過酸化脂質が密接に関係しています。(続)準備中